2007年07月18日

腸内細菌叢とその役割

腸内細菌は私たちの体にいろいろと影響を及ぼします。

腸内細菌叢の役割を挙げると

例えば、

たんぱく質や糖質のほか、人間には消化できない繊維質を分解して消化を助けること、

腸内細菌の産生する酸(乳酸や酢酸など)により

腸の蠕動運動が活性化され、消化や便通が促進されること、

有用菌の中には脂質や糖質の代謝にかかわり、

血清中のコレステロールや中性脂肪の量、そして血糖の量を適正な値に導いたり、

また血清を適性に保つ作用を持つものがあること、

腸粘膜を覆う腸内細菌が外来菌の定着を阻み、感染防御に役立つこと、

加えて、ニトロソアミンやトリプP-1などの発ガン物質を分解し、無毒化したり、

また、ガンを引き起こす可能性のある過酸化脂質の低減がはかれること、

さらに、ホルモンやビタミンを産生し、体の恒常性の維持に寄与していることなどなど、

その重要な働きが挙げられます。

通常、腸内細菌はある一定のバランスを保って定着しており、

菌叢のバランスを崩す様々な要因(例えば、偏食、ストレス、加齢、抗生物質の服用など)が働いても、普通は元の状態に回復し、健康を維持していくものなのです。

しかし、このバランスを崩す要因が長期間にわたって、しかも絶え間なく加えられていると、

菌叢のバランスが徐々に失われていき、異常菌叢へと移行して、本来の役割が果たされなくなってしまうのです。



Posted by 健康工房 紀の郷 at 14:20